障害者・家族の様々な実態調査やその時々に必要な提言をまとめ、研究・出版活動をおこなっています。
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■設置の目的
「大阪障害者センター障害者生活支援システム研究会」は、2000年の障害者制度転換期において、『社会福祉法及び関連法案が成立し、いよいよ本格的な「利用契約制度」への移行を開始、また「介護保険法」も混乱しながら実施段階に入った状況下、今後の障害者施策への政策的展望を実態に即して理論的に構築すると共に、支援費がらみで見直しを図ろうとする障害認定の見直し基準や「介護保険法」への障害者施策連動の動きの中で「障害者の介護認定」等等について具体的な提言を行い、国民的世論を構築し、民主的障害者運動の理論的、政策的裏付けを提供する』ことを目的に設置されました。
2000年9月30日に、研究者有志等によびかけ、第1回研究会を開催したことを契機に、『障害(児)者の家庭での介護支援についての実態調査』(2001年12月3日発表)、さらに、「障害者福祉改革への提言」(2002年5月かもがわ出版)、「よくわかる支援費制度」(2002年5月かもがわブックレット)などの書籍を出版しました。
大阪障害者センターが取り組んだこれらの障害者家族の実態調査や政策提言は、障害者運動と理論・政策研究の連携に寄与するとともに、障害者・家族の生活実態に即した政策提言や障害者運動の理論的裏づけに関しての役割を果たしてきました。
同時に、この取り組みを通じて、以下のような総括が行なわれました。
- 情報の発信、共有化においてのこの研究会のはたすべき役割は大きい。
- 実態をベースに、運動と研究が連携できる場は希少でありその価値は大きい。
- はばひろい研究分野が横断的に交流できる場としてこの研究会の意義は大きい。
- 今後検討すべき運動的課題は多岐にわたっており研究会の果たすべき役割は大きい。
- 実態調査などを幅広く行っていく上からも運動団体との連携の意義は大きい。
これらの総括を踏まえ2002年8月、この研究会を正式に「障害者生活支援システム研究会」として確立し、系統的な研究活動を進めていくこととなりました。
「障害者生活支援システム研究会」はその後、障害者福祉制度の大きな転換期に合わせ、障害者・家族の様々な実態調査やその時々に必要な提言をまとめ、研究・出版活動を続けています。
現在、この研究会は以下のような場として活動を進めています。
- 障害者運動体や福祉現場の職員と研究者が共同して課題や研究を行える場
- 若手院生なども参加できる、開かれた議論や研究を行える場
- 研究分野を越えて幅広く交流できる場
- 議論・研究の素材を障害者・家族の実態を踏まえて練り上げることのできる場
- 障害者・家族、福祉現場の実態を明らかにするための調査等を共同の力で進める場
- 調査結果や提言を運動体と連携して国・自治体に届けるとともに、共同の学習会等を開催できる場
- 障害者・家族、福祉現場、研究者にいち早く情報を発信する場
■研究会メンバー
研究会の委員構成は以下の通りです。(敬称略:順不同)
- 瀧澤 仁唱 座長(桃山学院大学)
- 鈴木 勉 副座長(佛教大学)
- 雨田 信幸(きょうされん大阪支部)
- 新井 康友(中部学院大学)
- 石倉 康次(立命館大学)
- 磯野 博(静岡福祉専門学校)
- 伊藤 修毅(日本福祉大学)
- 伊藤 周平(鹿児島大学)
- 井上 泰司(大阪障害者センター)
- 植田 章(佛教大学)
- 荻原 康一(拓殖大学)
- 小田 史(大阪健康福祉短期大学)
- 木全 和巳(日本福祉大学)
- 清時 忠吉(社会福祉法人いずみ野福祉会)
- 鴻上 圭太(大阪健康福祉短期大学)
- 佐藤 久夫(日本社会事業大学)
- 塩見 洋介(大阪障害者センター)
- 塩満 卓(佛教大学)
- 清水 俊朗(福祉保育労働組合)
- 白沢 仁(障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会)
- 鈴木 静(愛媛大学)
- 竹内 章郎(岐阜大学)
- 田中 智子(佛教大学)
- 中内 福成(障害者(児)を守る全大阪連絡協議会)
- 中嶋 麻衣(大阪障害者センター)
- 中村 敏彦(社会福祉法人コスモス)
- 中村 尚子(立正大学)
- 西村 憲次(総合社会福祉研究所)
- 峰島 厚(立命館大学)
- 中山 徹(奈良女子大学)
- 濱畑 芳和(立正大学)
- 平野 梓(社会福祉法人いずみ野福祉会)
- 丸山 啓史(京都教育大学)
- 山本 耕平(立命館大学)
- 吉田 茂(かもがわ出版)
■これまで実施してきた各種調査
- 「障害(児)者の家庭での介護支援についての実態調査」(2001年12月)
- 「障害(児)者入所施設実態調査」(2003年12月)
- 「障害者児の社会的支援ニーズ実態調査」(2005年2月)
- 「通所施設における生活指導員の業務調査」(2006年4月)
- 「障害程度区分試行調査」(2006年4月)
- 「障害者自立支援法のサービス利用に関する全国影響調査」(2006年10月)
- 「グループホーム・ケアホームの支援体制のあり方調査」(2008年11月)
- 「知的障害者の暮らし実態調査(家計調査)」(2010年4月)
■これまでの出版・提言一覧
- 障害者福祉改革への提言―地域と施設の支援システムをつくる(2002/5)
- よくわかる支援費制度 ―あたらしい障害者福祉制度活用の手引き(2002/5)
- (シリーズ 障害者の自立と地域生活支援)
- ノーマライゼーションと日本の脱施設 (2003/7)
- SOS支援費制度(2003/11)
- 希望のもてる「脱施設化」とは(2003/12)
- 個別支援計画をつくる(2004/03)
- 疑問あり!介護保険統合論(2004/04)
- 精神障害をもつ人が地域でくらしていくために(2004/10)
- 障害保健福祉改革のグランドデザインは何を描くのか(2005/02)
- 障害者自立支援法と応益負担(2005/05)
- 障害者自立支援法 活用の手引き(2006/02)
- 障害者のくらしはまもれるか(2006/08)
- 障害者自立支援法と人間らしく生きる権利 障害者福祉改革への提言2(2007/3)
- (障害者の人権とこれからの社会保障シリーズ)
- どうなるどうする障害者自立支援法(2008/8)
- 障害者の「暮らしの場」をどうするか?(2009/4)
- 権利保障の福祉制度創設めざして〜〔提言〕障害者・高齢者総合福祉法〜
- 障害福祉現場で働くためのメンタルヘルスハンドブック