大阪障害者センター 壁ニュース

第7 回障害児者・家族の自立(自律)と暮らしを考える集い開催!

「壁ニュース」テキスト版 2024/03/12

第7 回障害児者・家族の自立(自律)と暮らしを考える集い開催!
~子の自立、親の自立を保証できる制度の実現を!~


 3/8、生活の場を考える大阪こんだん会・障害者(児)を守る全大阪連絡協議会(障連協)・大阪障害児・者を守る会・きょうされん大阪支部の共催で、「第7回障害児者・家族の自立(自律)と暮らしを考える集い」が、大阪産業創造館で開催され、WEB参加も含め、約100名が参加されました。
 開会に当たり、播本会長(守る会・生活の場))はあいさつで「地域移行が一人暮らし?現状は、家族介護が前提の制度にどんどん移行し始めている中で、やはり親の自立、子の自立を掲げて行政に粘り強く働きかけていきたい。」と語りました。
 その後、「障害者とその家族の“じりつ”を考える~私の子育てのあゆみから~」と題して、生活の場を考える大阪こんだん会副会長・清時忠吉氏が講演を行いました。

【講演概要】
「障害者とその家族の“じりつ”を考える~私の子育てのあゆみから~」
 生活の場を考える大阪こんだん会副会長  清時忠吉

1.わが家の子育てと親育ちから
〇長男の誕生から就学前
保育所の行事のたびにわが子の発達の遅れを実感
訓練に必死になる親「歩けるようになってほしい」
母の決意・決断 「子どもデイケアいずみ」に通所開始
〇誕生から就学までの激動期
わが子の障害を受け入れること 親を支える子育て支援のシステム 早期療育
普通でないことのつらさ
※父親一人の父子通園のギャップ、発達の遅れが生活の困難さ、子育て支援のシステムの必要性。近年の制度は、今後が心配
・比較しない!三原則 「育児書と比べない、他の子と比べない、きょうだいと比べない」
子どものペース>親のペース 支援者アドバイス「子どもについて行きなさい」

〇6・3・3で12 年間の支援学校での育ち
地域の小学校か、特別支援学校か 後の人生に大きな影響を与える選択
※ピカピカのランドセル(写真)
悩みに悩んで最終的に決断した進路はきっと正しい
※PCW(歩行器)の利用、ゆっくり学ぼう子どもも親も、支援学校でのペース。大谷選手グローブも支援学校にも!
放課後生活、地域の学童保育に、プールの体験も、遊びがテーマなら地域でも育つ!地域の中で育つ(夜店の体験、学童の友達も!)加配職員の配置も(しんどい時は休んでもいい、親の訓練への抵抗!将棋も「作戦にない作戦」)
放課後の居場所 サンマを一緒に味わう 「時間」「空間」「仲間」
学校でもない、家庭でもない、第3の居場所だから出せる自分がある
「お母さんと一緒より、友達と一緒の方が楽しい」→大切な想い・感覚(自立への階段)
※目標:一人で歩いて卒業証書を受け取ろう!
子どもの願い>親の都合 「子ども時代を充実させて青年期へ」(親の都合もあるが)

〇思春期から青年期へ
何かしら反抗したい「風呂、ひとりで入る!」(勝手に入り!頼りない入浴!オールインワンの活用、ナノバブルシャワー購入!)
○中学部は放課後デイ、高等部に!親の参加を嫌がる、写真も一人で、(教室に見に来るのは)月に1回のみ!(愛情?依存?)
幼少期とは違う訓練入院(弟と一緒に、一人ぼっちから、仲間友達へ)
写真は母に撮ってもらう⇒自分のスマホで撮って友達とラインする
○福祉型専攻科に
※生きる力を仲間とともに

2.障害のある青年と親の“じりつ”
〇青年期をゆっくり豊かに過ごそう!
障害者福祉事業の職員としての意見 福祉型専攻科「シュレオーテ」での8年間の実践経験から
青年期の親子関係の課題 パターン①「 親がわが子を保護・管理し続けてしまう場合」
青年期の親子関係の課題 パターン② 「親がわが子の言いなりになり続けてしまう場合」
※障害が重いほど生活が進まない、子どものこだわりに付き合わなければ生活が進まない、長年の親子関係!12年間の関係から、同じ時間が必要か?、青春を謳歌する事の大切さ
18歳で「梅大臣」に
※将来を想像「イメージは梅ジュースのあるじりつ生活」

〇“じりつ”への一歩としてのショートステイ
はじめてのショートステイ(1泊2日)
※あっさり納得、妹がうっとおしかった!俺が家を出てやる!
慣れてきたショートステイ(4泊5日) あれ?湿っている事件
※洗濯の経験
1年間練習を重ねてきた最近のショートステイ(13泊14日)
※洗濯や食器洗いの経験「妹がショートに行けばよい」
連絡帳の進化 それはシンプルになっていくこと
※本人のことが減っていく
※成人式への参加、仲間と参加の意味、仲間の存在の大切さ!

〇3つのライフステージで“じりつ”を考える
①誕生から就学までの乳幼児期 → 激動期
②6・3・3で12年の子ども期 → 安定期
③4・4・4で12年の青年期 → 激動期
この先には成人期 →安定期(じりつ実現)
何が「激動」して、何が「安定」するのか それは「親の心」
※いちいち子供っぽいことを言わんといて。
 認め合い尊重しあえる大人同士の親子関係に:変化しにくい、親の変化のための学びが必要ではないか?
 親子みらいワーク~みんなのじりつの道しるべ~ 試行実施より
※日本財団、(障害者の自立支援プログラム事業:子離れ学習会ではだれも来ない)
※先輩の親の経験を聞く!子離れへの経験!ショート見学、訪問見学(麦:青年期とは?大人になった子供は社会の手をかりて(権利としての自立)
子育てが一段落する年齢になっても…
青年期にはわが子の巣立ちを受け入れる
親子の“じりつ”を実現するためこれまでとは違う質の力を振り絞ってみよう
※みずからの自立へのエネルギー
障害者の人生を支える生活地図
※三愛学舎のプログラム
障害者の親である〝私のじりつ〟を考えてみる
※自分の時間をどう楽しむか?日本一周プログラム(競馬と野球場)

3.親子関係の問題ではなく社会問題として
〇青年期・成人期の大きなテーマ〝じりつ〟
学んで、働いて、楽しんで、じりつへ 新発想の通所施設「ステアーズ」
※いずみ野福祉会(2025年開設:新しい自立支援プログラム、学びと仕事
※わくわく休日、楽しい生活
なぜ、「シュレオーテ」「ステアーズ」の話をするのか→一般的な制度として存在するために
自分の歩幅で一歩ずつ、じりつへの階段を昇っていこう
じりつに向けた生涯学習プログラム 試行実施より
ピカピカ研究室 ⅠCOCAでGO! お宝なんでもプレゼン

〇あとは「暮らしの場」があればOK! なのに… 老障介護という社会問題
※一生涯学習の場も!
暮らしの場の圧倒的不足。全国の入所施設の待機者数は少なくとも1万8000人以上
わが子には「選択できる多様な暮らしの場」が必要だ

全国障害児者の暮らしの場を考える会
①家族依存から社会的支援への政策的転換を求めます。
②選択できる多様な暮らしの場を求めます。
③支援の質を高めるための職員集団を求めます。
④公的責任の明確化を求めます。
家族と職員は、障害児者のじりつを支えるパートナー関係で!
※親亡き後にいきつくのではなく!
※自立への学習と体験、そこに向かっての運動と実践

○閉会あいさつ:塩見障連協事務局長
 父親がわが子の育ちを語れる意味、リアルなエピソードを語れない、母親にしわよせ、「時間」「空間」「仲間」の大切さ、自立は関係性のゆたかさが大切。一人一人の思いを社会に発信していくことの大切さ!一緒に頑張っていきたい!


 今、暮らしの場の問題や親亡きあとの問題が大きな課題になっていますが、改めてこうした課題を解決していくための取り組みを体系的に議論し、制度をしっかりと構築していくことが求められているようです。