大阪障害者センター 壁ニュース

障全協、第53回総会を開催!定例の各省交渉も実施!

「壁ニュース」テキスト版 2019/04/10

障全協が、第53回総会を開催!
~翌日は定例の各省交渉を実施!~

 障全協は、4/7東京戸山サンライズで、第53回総会を開催しました。
 運動総括では、1.改憲許さない国民的共同に合流 2.優生思想、障害者差別・障害者排除に対するとりくみ 3.浅田訴訟全面勝訴-介護保険優先原則問題に楔打つ4.障害児者の暮らしの場づくりのとりくみ5.障害基礎年金打ち切りの中止を求めるとりくみ6.障害者・家族の切実な要求実現を求めた加盟組織のとりくみ7.組織・財政の確立・強化をめざすとりくみ8.日本障害者センターの協力・強化のとりくみ等が報告され、激動の情勢
1.改憲発議を阻止し、消費税増税に反対を2.消費税増税に反対を3.「全世代型社会保障」による社会保障制度の崩壊を許さない4.公的機関による障害者差別の是正を5.障害児教育義務制施行から40年!教育権保障をめざして4.私たちが望む社会の実現のために(「戦争ができる国づくり」・「企業が儲かる国づくり」を進めるにあたって、政府は「全世代型」への転換という名のもとで、支援を必要とする人たちの切り捨て、世代間・分野間の分断施策を強化していくことは明らかです。現在、社会保障改悪は省庁の枠を超えて進められていますが、厚生労働省による勤労統計偽装問題や総務省による「改正」著作権法に係る賛成意見の水増し問題などから、政策誘導のための情報操作が行われていることも判明しました。私たちは、制度改悪のために、偽装や隠ぺいを厭わない行為を許すことはできません。私たちを取り巻く状況が非常に厳しいのは事実です。しかし、昨年12月の浅田訴訟の完全勝訴は、障害者の暮らしや生命より財政を優先する行政のあり方に一石を投じました。司法判断の際、一つのポイントとなったのが、「基本合意」、「骨格提言」、「障害者権利条約」です。私たちは関係団体との共同・連携をさらに強化し、「障害者権利条約」等を活用しながら、子ども・障害児者・高齢者など支援を必要とする人たちが安心して暮らすことのできる社会の実現のための運動を進めていかなくてはなりません。)等の報告を受けて、今後の取組みとして、
1.憲法改悪に反対する運動に全力をあげます!
2.障害者・家族の生活実態、切実な要求に基づく運動をすすめます!
(1)「障害児者の家族のくらしと健康に関する実態調査」結果をまとめ、「全国障害児者の暮らしの場を考える会」と共有し、記者会見・厚生労働省懇談・国会審議に持ち込みます。また、調査結果に基づく学習会・懇談会等を開催するとともに、地方「考える会」の結成をよびかけます。
(2)「介護保険優先原則に関する自治体アンケート」結果をまとめ、記者会見・厚生労働省懇談・国会審議に持ち込み、介護保険・障害福祉サービスの抜本改正をもとめます。(国会請願署名の項目を含む)
浅田訴訟全面勝訴の共有し、判決内容をふまえた障害者総合支援法の改正を求めます。引き続き天海訴訟を支援します。また、「介護保険・介護保険優先原則」問題に関心をもつ団体・個人との共同を強め、世論と運動支援を広げるための院内集会を開催します。
全国肢体障害者団体連絡協議会がよびかける「障害福祉サービスの継続を求める運動」を支援・協力していきます。
(3)障害児教育義務制40年を機に、あらたな教育権保障運動にとりくみます。そのための全教、全障研、きょうされん等との共同したとりくみをすすめます。
(4)自治体障害者医療費助成制度の国制度化を求めて運動します。
(5)「災害と障害者」に係わる兵庫・大阪・東京等のとりくみをふまえ、国会・関係省庁への働きかけを行います。
3.「介護保険・障害福祉サービスにおける負担軽減等を求める国会請願」署名・募金運動にとりくみます!
4.障害者権利条約にふさわしい施策実現を求めます!
(1)政府報告書に対するパラレルレポートを日本障害者協議会・日本障害フォーラムに結集し作成します。
(2)国連・権利委員会に障全協代表を派遣する準備をすすめます。(2020年頃)
(3)「やまゆり園事件」「旧優生保護法による強制不妊手術問題」「障害者雇用偽装問題」等、優生思想、障害者差別・排除に係わる運動にとりくみます。
5.運動推進のための集会等を開催します!
(1)「障害者の生活と権利を守る第53回全国集会・中央行動」
○2019年11月24日(日) 国立オリンピック青少年総合センター
○11月25日(月) 中央行動(各省交渉・国会請願等)
(2)「第37回活動者学習会・地域運動交流会」
○2019年8月17日(土)~18日(日) 開催地:和歌山県
※8月17日(土)公開講座(防災をテーマとした企画検討)
「第29回専従者交流会」
○2019年8月18日(日)~19日(月) 開催地:和歌山県
6.共同・連帯の輪を広げます!
7.組織・財政の確立・強化にとりくみます!8.日本障害者センターの事業推進等に役割を果たします!
9.選挙について
等の柱建ての方針が確認されました。
 翌日には、各省交渉が、実施されました。
 大阪からの三者の報告を一部掲載しておきます。

【障全協と厚労省による懇談報告(2019年4月8日)】
 10時から12時までの2時間、事前に提出した「介護保険優先原則と障害者総合支援法に関する要望書」に関する懇談会に参加しました。主に、「介護保険優先原則」「暮らしの場の整備」についての話し合いとなりました。
○介護保険優先原則について厚労省は、「介護保険優先は変わらない(介護保険対象となった障害者が申請している・していない限らず)。3月7日の主管課長会議において改めて通知を示した。浅田さんへの対応は岡山市の問題」として回答しました。また、「介護報酬改定で運営規定に障害者相談支援専門員との連携を盛り込む改定を行った。今後、連携で支えるケースが増えてくる。好事例の収集なども行いケアマネ研修の内容等今後検討していく」などと回答しました。さらに、共生型サービスについては、「全国で、共生型介護保険所は34カ所・共生型障害福祉事業所は309ヶ所(いずれも昨年11月)。今後、実施を促していく方向。共生型の報酬上の違いはそもそもの基準が違うから」としました。
参加者からは、「自治体による取り扱いの違いが存在している。本人の状況を踏まえた対応になっていない」「運営基準に書き込んだと言うが、岡山市からは『認めない』と言われている」「基準の違いと言うが同等のサービスではないのか。どこに違いがあるのか」等の意見が出されました。厚労省の認識がかけ離れたものになっていることが鮮明になりました。
○暮らしの場をめぐって厚労省は、「今年度は施設整備の予算も増額している。福祉人材確保についても新たな処遇改善で対応している。地域生活支援拠点についても自治体担当者との議論や連携を図っていく」としました。
 参加者からは、「県外の施設に入所している人が130人以上いる。また600人を超える待機者がいる。支える家族は限界に来ている」「4月から定員40名でスタート施設に200名を超える希望者があった。苦渋の選択をしながら決定したが誰も手放しで喜んでいない。決定的に不足しているし切実な状況を掴む調査が必要でないか」などの発言が出されました。厚労省担当者からは明確な発言はありませんでした。
○重度訪問介護を利用している区分6の人に対して、入院中のヘルパー利用についても議論になりました。
「入院中のヘルパー利用はコミニケーション支援に特化して可能と言うが、区分6で重度訪問介護を利用していない知的障害の重度の方も入院中はコミニケーション支援が必要な場合がほとんど。コミニケーション支援と言うなら対象にすべきではないか。なぜ重訪だけなのか」「コミニケーション支援以外は医療で対応というが実際にナースコールを鳴らしても対応してもらえない現実がある」と言う声に対しては、制度説明を繰り返すだけでまともに回答できませんでした。
○その他にも精神障害者の交通運賃割引制度に関することや、移動支援と行動援護に関する切実な声が出されました。
 懇談を通じて、改めて様々な矛盾点とそもそもに「基本合意文書・障害者権利条約・骨格提言」に基づいた制度設計になっていない実態が明らかにされたと思います。国に対して引き続き実態把握と権利保障を求めて行きたいと思います。同時に都道府県と基礎自治体に対しても、間違ったローカルルールを改めさせる働きかけを行っていきたいと思います。
(きょうされん:雨田氏)

【医療関係】
 私は医療分科会を担当しました。
○65歳以上の疾患別維持期リハビリテーションについて、この4月から経過措置が外されて介護保険でのリハに移されることになることに関して、介護保険優先原則に従い障害者が介護保険に移行したとたんに医療リハビリも打ち切られることになると指摘したところ、介護保険担当課は「介護保険は申請主義なので申請しなければいい」と回答しました。
 少し驚きましたが、どストライクな回答でした。
 (障連協:塩見氏)

 なお、他の分科会等の報告等は障全協新聞で紹介されますので、ご参照ください。